伊万里港開港50周年記念シンポジウムのもうひとつの特別講演。
「北前船の歴史と将来~伊万里港」と題して、明楽みゆき氏の講演とチェンバロ演奏が行われました。
北前船とは、江戸から明治にかけて北海道と日本各地を日本海航路で結び、海運を営んだ船団のことで、近世物流の大動脈を担いました。
明楽さんによると、下関から積み込まれた古伊万里は寄港地だった北海道の釧路や利尻、襟裳でも発見されたそうです。
一方、古伊万里は長崎の出島からヨーロッパにも輸出されました。ベルサイユ宮殿の王の間にも飾られていることから、宮廷で好まれていたカッチーニやバッハ、ヘンデルなどの曲を披露されました。優雅で優しい音色を聴いているとバロック時代にタイムスリップしたような気持ちになります。
明楽さんのチェンバロの屋根(ふた)の裏にはラテン語で「音楽は喜びの友、悲しみの薬」と書かれています。音楽には悲しみを癒し、忘れさせてくれる不思議な力があります。含蓄のある深い言葉に出会いました。(管理人)
コメントをお書きください